Neroは、近年需要が急速に高まっているLiB電極材の製造工程で求められる高温域(1,000℃以上)での安定した熱処理を、水素を燃料として行います。水素専焼による高温焼成は、CO2が発生しない一方、特に狭空間においてNOX(窒素酸化物)の発生抑制、安定した加熱などに課題がありましたが、3社の技術を組み合わせることで、商品化を実現しました。ノリタケ、東京ガス、TGESは、Neroの高効率な加熱技術を、LiB電極材に限らず、高温域での安定した熱処理が求められる自動車(ホットスタンプ等)や5G向け電子部品などの用途にも応用し、さまざまな製品の加熱工程の脱炭素化に貢献します。■本製品の特長1.水素燃焼式の採用によるゼロカーボンを実現2.水素燃焼時のNOX(窒素酸化物)発生を抑制水素専焼による高温焼成は燃焼速度が速く、火炎温度が高くなることから、特に狭空間においてNOXが発生しやすい課題がある中、独自の燃焼技術により、NOX発生の抑制が可能3.耐久性に優れたバーナと独自の燃焼技術により天然ガス燃焼時と同等の温度精度を実現耐熱・耐蝕性能(耐アクティブ酸化*5・耐リチウムアタック性*6)の高い特殊セラミックを発熱体(ラジアントチューブ)としてバーナに採用し、従来の電気加熱式の課題であった耐久性を解決独自の燃焼技術により温度分布の平準化やスムーズな温度追従性、酸素濃度の維持など安定加熱が可能となり、天然ガス燃焼時と同等の温度精度を水素燃焼で実現4.さまざまな高温域での熱処理への応用が可能・LiB分野:正極材、負極材、次世代電池材・自動車分野:超高張力鋼板(ホットスタンプ)、焼結部品、プラグ、センサ、触媒、磁性材・通信機器分野:5G向け電子部品、フェライト、セラミック基板、ターゲット材 等5.水素・天然ガス混焼への対応現状は高価な水素を天然ガスと混焼することで、エネルギーコストを低減しながら、天然ガス専焼と比べCO2排出量の削減が可能■紹介動画
■LiB電極材用連続焼成炉 商品ラインナップ<都市ガス燃料型 C-SERT-RHK>・電気式と比較し最大40%エネルギーコストの削減が可能・Nero同様特殊セラミックラジアントチューブバーナにより高耐久性を実現<電力対応型C-SERT-RHK-Fos*7>・Nero同様特殊セラミックラジアントチューブの採用により従来の電気式と比較して高い耐久性・天然ガス・水素ユーティリティー確保が困難な場合を想定し、電力にも対応■ノリタケ脱炭素工業炉技術情報専門Webページhttps://www.noritake.co.jp/noritake_dift/ *1:ローラー搬送により連続で、設定された温度環境の中を製品が通過することで高品質な熱処理を行う焼成炉*2:C-SERT-RHKの水素燃焼型C:セラミック、SERT:シングルエンドラジアントチューブバーナ、RHK:連続焼成炉Nero(ネロー):ギリシャ語で水の意味(水素燃焼型)*3:LiB電極材用焼成炉で世界屈指の実績食器製造で培った、ローラーハースキルンによる均一、高速、雰囲気制御加熱技術高品質、大量生産に欠かせない設備技術で、先端産業の発展に貢献*4:日本における省エネバーナのパイオニアとして、リジェネバーナやセラミックラジアントチューブバーナ(C-SERT)などを開発1,200本の販売実績*5:高温かつ極微量の酸素濃度環境下(負極材の生産環境)で発生する酸化現象。セラミックを構成する原子を消耗させるため、汎用セラミックの寿命は著しく短命化する*6:正極材原料に含まれる浸食性の強いリチウムが溶融し、炉壁や加熱機器(ガスバーナや電気ヒーター)に付着し損傷させる現象*7:Fos(フォス):ギリシャ語で光の意味…高耐食性ヒーター型