新車値引き情報 [2021.04.26 UP]
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この記事の目次【プロローグ】クルマの使い方は時の流れによって大きく変化します。独身時代は主に“ナンパの道具”(笑)でしたが、結婚/子育て時代は一転してファミリーなミニバン一辺倒に。そして、子供達が次々と免許を取得するようになった昨今は大人数が乗れるクルマより“一人に一台”のカーライフに移行しています。そうです、ついにチャンスがやってきた! これまで家族のファーストカーだったC-HRは娘に下賜して、私が定年まで乗れる“最後のクルマ”を購入しようと決意しました。政府が目論む電動化政策に先んじて、本命としてチョイスしたのは発売されたばかりのエクリプスクロスPHEV。補助金+愛知県独自の自動車税免税などのインセンティブを享受して“いいとこ取り”を狙います。一方、対抗は“永遠の憧れ”ハリアー。どちらもモデルチェンジ直後のため、値引きは厳しいと予想されますが、年度末決算前の大判振る舞いに期待しつつ、販売店巡礼を開始します。【交渉1日目(土曜日)】まずはアポなしで三菱A店を訪問。物腰の柔らかい店長さんが応対してくれた。あいにくエクリプスクロスPHEVの試乗車が出払っていたので、アウトランダーPHEVを試乗。モーター走行の静粛性と加速感は十分に堪能することができた。店に戻って商談開始。オプションを含めた総額は500万円を軽く超えた……なのに、値引きはたったの8万938円。X「本気で購入するとなったら、おいくらまんえんにしていただけますか?」店長「PHEVは発売されたばかりなのでこれ以上は……」なんだか歯切れが悪い。【交渉2日目(日)】日産へ。キックスを対象に商談。見積もりには値引き額の記載がない。X「家内に許可を取らなければならないんですが、値引きはいくらくらいになりますか?」セ「私の裁量では片手もありません。でも、買っていただけるのなら役員決裁を取ります。奥様とご一緒にお越しいただければ頑張りますよ」出だしが片手(5万円)もないのでは役員決裁といってもあまり期待できそうにない。10年来の付き合いがあるトヨタA店へ。この店からは新車6台を購入し、紹介も3台(すべて同級生)の実績があるが、これまでの担当者が本社に栄転。引き継いだ若い営業マン氏とは今回が初めての商談となる。ハリアーに試乗。大いに満足。価格が450万円を超えるのも頷ける。ただし、いますぐ注文しても納車は夏以降とのこと。X「前任のSさんから私のことは聞いていますよね? 値引きが無茶苦茶うるさい客であるということを……」(笑)セ「はあ、だいたいは……」X「ボディコーティングや付属品は一切付けません。これで見積もりをお願いします。Sさんとはいつもこのやり方で商談を始めていました」セ「わかりました」付属品一切なしの“すっぴん”状態で総額は476万5000円。「通常は20万円引きですが……」と前置きして、値引き31万5000円、支払い総額445万円を提示。なお、RAV4の見積もりも出してもらったところ、値引きは40万円弱で、支払い総額は391万円。前置きが効き目をみせたようで、最初から好条件を出してきた。しかも「Xさんは上得意様なので店長や部長に交渉すれば、もう少し上乗せできると思います」とのこと。この人、前任のSさんに勝るとも劣らない“仕事のできる男”とみた。今回も「この店から買いたい!」という気持ちが湧いてきたが、今回は三菱が本命なので「ごめんなさい」となるかも……。【交渉3日目(土)】レヴォーグに試乗。さすがターボ車、気を失うくらいの加速感だ。なお、若いセールスレディが同乗したので、おじさんとしてはちょっと緊張……(笑)。商談では「売れ行きがいい!」との話を連発。値引きはかなり厳しそう。「車両本体は13万円引きがぎりぎり」とのこと。付属品割引は20%。三菱B店にてエクリプスクロスPHEVに試乗。担当となった営業さんはどことなく居丈高。質問をすると曖昧な答えと知ったかぶりな答えが多かったので、不信感を覚える。値引きの話は一切なく、そのくせ「ぜひ契約を!」と繰り返し迫ってくるので、こちらから「値引きはかなり期待ができるのでしょうか? 実はもともとハリアーを考えていたんですけど」と振ってみたが、反応はなし。【交渉4日目(日)】三菱C店へ。応対してくれた営業さんは爽やかで、受け答えもスマート。アポなしだったので、本格的な商談は次回に持ち越し。続いて、私の勤務先から10分程度の距離にある三菱D店へ。セ「エクリプスクロスPHEVを昨日契約された方のお値引きは20万円くらいでした」X「それって、付属品なしでも出ますか?」セ「はい、車両本体からのお値引きです。愛知県には三菱の販売店が4系列ありますので、相見積もりをされるお客さんもいます。そういった時にはさらにご相談させていただくこともあります」この営業さん、話がストレートで、期待が持てます。
【交渉5日目(金)】再度、エクリプスクロスPHEVに試乗。今回は山道も走ってみたが、とにかく運転が楽しい! PHEVということでエコノミーな使い方を前提に考えていたが、走ることの悦びを強く感じた。しかしハリアーも捨てがたい。先進技術のPHEVか? 長年憧れてきたクルマか? 非常に悩ましい事態になってきた。【交渉6日目(土)】三菱B店へ。ここの営業さんとは相性が良くないようなので2回目の商談はパスしようかとも思ったが、実は自宅には一番近いため本命店と考えていた。そこでもういちどアタックしてみることに。今回は前日にアポをとって“本気モード”を伝えておく。付属品なしの見積もりを出してもらうと総額は490万円。X「これがおいくらくらいになるでしょうか?」セ「PHEVは設定価格を低く抑えているのでお値引きをして売るクルマではありません。ただし国からの補助金や愛知県の免税政策など手厚い恩恵が50万円ほどあります」X「えっ、値引きは片手もないんですか?」セ「決めていただけるなら、上に話を通して5万円くらいはいけるかもしれません。さらにキャンペーン中なので付属品を付けていただければ、そこから5万円引けます」続いて三菱C店へ。例の爽やかな営業さんと商談。ハリアーとの競合を伝えると、セ「通常ですと10万円引きですが2回もお越しいただいたので20万円にしましょう。PHEVからこんな条件を出せるところは他にないと思いますよ」私が「家族と相談させてください」とかわすと深追いをしないで爽やかに見送ってくれた。次はトヨタB店。この店では7年前、X氏に登場したときにヴェルファイアを購入している。担当さんには半年前から「次はハリアーかも。その節はよろしく!」と伝えておいた。しかし、値引きはたったの9万円。セ「ハリアーは一番値引きができないクルマなんです。付属品まったくなしではこれが限界です。申し訳ありません」かつては“すっぴん”のヴェルファイアから50万円引きを出してくれたのに、今回はなんとつれないことか……。勤務先に近い三菱D店へ。セ「なんとか支払い総額460万円を切りたかったので部長に相談して459万円にしました。フェア期間中でなければ、出せない条件です」逆算すると、値引き額は31万4000円!おおっ、エクリプスクロスPHEVとしては飛び切りの数字が出た!「家族と相談させてください」と態度を保留したが、これでほぼ決定! さよなら、ハリアー……。まさか、PHEVがここまで安くなるとは思わなかった。めちゃくちゃ興奮して帰宅する。あっ、いかん、トヨタA店に試乗の予約を入れてあったのを忘れていた。あわててお詫びの電話を入れる。セ「全然、全然大丈夫です。明日でもいいですよ」担当さんの優しい声を聞いたら、トヨタに未練が湧いてきた。長い間「いつかはハリアー!」と憧れ続けていたので、かんたんにあきらめてしまうのはやはり寂しい。やはり、もういちど試乗してから決めよう。X「では、明日午後4時頃、お伺いします。そろそろ決めようと思っているので、ご協力、よろしくお願いします。私はあなたの味方ですからね」なんだか謎めいた言葉を伝えて電話を切った。ここで“松本大明神”にこれまでの経過をメールで報告し、最後に「正直、迷っています。エクリプスクロスPHEVが一歩リードしていますが、明日、トヨタが思い切った上乗せをしてきたらハリアーに決めるかもしれません」と書いた。すると、ほどなく松本さんから返信が入る。「ハリアーは全店扱いになって以降、値引きが緩んでいます。トヨタの営業マンには『三菱に傾いているが、まだ逆転のチャンスがある。ただし、大本命のエクリプスクロスを断腸の思いであきらめるからには、かなり思い切った金額が必要だ』などと強気で迫るといいでしょう。さらにトヨタ同士の競合も強調してください。40万円引きオーバーを狙いましょう」果たしてどうなることやら……。
【交渉7日目(日)】トヨタA店へ。ハリアーに試乗。担当さんは接客中だったので、別の営業さんが同乗してくれた。走りっぷりも乗り心地も高級感があり、やはり素晴らしい!以下、試乗中の会話。X「こちらの店長さんは値引きについてどんな感じですか?」セ「どちらかと言えば渋いのではないでしょうか。競合を伝えても『ダメなものはダメ』と却下しますからね」う~ん……手強そうだ。お店に戻って担当さんと商談を開始する。X「売れましたか?」セ「はい、おかげさまで」X「よかったですね、じゃあ、今日はもう無理して売る必要がないのかな?」(笑)セ「そんなことありません。もう一台、いきたいですね!」X「おっ、やる気満々ですね。私も今日は契約を決めるつもりで印鑑も持参してきました。でもね、実は、すんなり決定とはいかない、我が家の事情があるんですよ」セ「なるほど、承ります」“事情”を要約すると、・半年前からハリアーの購入を検討してきて、家族内でも意見がまとまっていた。・ところが、12月にエクリプスクロスPHEVが発表されてから意見が別れてしまった。・PHEVは「安売りするクルマではない」と渋かったが、三菱4系列をまわると、最後の店で、予想を大きく上回る31万4000円引きが飛び出した。・三菱と契約しようと思ったが、“憧れのハリアー”にも未練が残るので、迷っている。この説明の後、X「エクリプスクロスPHEVの車両価格はハリアーとほぼ変わらないんですが、補助金と免税効果で約50万円のインセンティブがあります。このインパクトが大きいため家内は三菱に傾いているんですよね。でも、私としてはハリアーに乗りたい気持ちが強くあります。なんとか家内を説得できるように値引きで頑張ってください。私はあなたの味方です!」セ「Xさん、よくわかりました、頑張ります!」と言って、パソコンを操作し始めた。しだいに営業さんの顔が紅潮してくる。セ「前回は支払い総額が445万円でしたね。これで、どうでしょう?」パソコンの画面には436万円の数字が打ち出されていた。逆算すると値引き額は40万円をオーバー。(えっ、マジかよ!)あっさり松本大明神が設定した目標を超えてしまった。X「これって、店長さんの許可なしで出せるんですか?」セ「Xさんとの契約を絶対に成立させたいのでなんとしても許可をもらってきます!」X「こちらの店長さん、厳しそうですね。私も一緒にいってお願いしましょうか?」セ「大丈夫です。とりあえず私が説明してきます。しばらくお待ちください」こう言い残して、2階に駆け上がった。待つこと10分。営業さんが疲れた顔をして戻ってきた。なんだか少し老けたような気がする。ダメだったのか……。X「どうでしたか?」セ「なんとか承認をもらってきました。うちの店長、三菱さんとの競合にはあまり反応しなかったのですが『Xさんはほかのトヨタを回られて、しっかり研究されている』と伝えたら、『ここで取らなければ危ない』と思ったようで渋々ながらOKしてくれました」X「では、この場で家内に電話して了解をとります。席を外す必要はありませんよ。携帯のスピーカーをオンにするので、営業さんも参加してください」あらかじめ家内には「リモート商談をするから、よろしく」と伝えておいた。X(妻に向かって)「営業さんが頑張って店長さんにお願いしてくれたよ。値引きは目標の40万円を超えて、支払い総額は436万円です。私はこれで十分だと思いますが……」妻「え~、それ以上はなんともならないの?」(あれ? 事前の打ち合わせでは私に任せてくれるって言ってたのに……営業さんの顔をチラ見すると……)セ(じっと目を閉じて大きく首を振っている)X「店長さんは渋々OKした数字なので、これ以上の上乗せはムリかと思います」妻「営業さん、実は、今日はね、次女が成人式だったんですよ。何かお祝いをいただけませんか?」(そんな要求、事前の打ち合わせにはなかったよな、つくづく主婦は魔物だと思った)セ「実は、ハリアーのインナーミラーにはドラレコ機能が付いているので、ご不要かと思って言いませんでしたけど、会社の創立記念セールの成約キャンペーンで前後ドラレコをプレゼントできます」X「いくらぐらいのドラレコですか?」セ「カタログ価格では8万5000円です」妻「それって、誰でもいただけるサービスですよね? ウチの娘に対しての特別なプレゼントは何もないんですか?」セ(紅潮した顔で息も絶え絶えに)「う~ん……オイル会員券くらいですかね」X「おっ、実用的でいいね」セ「店長にバレたら殺されるかもしれませんけど(笑)……しれっと入れておきます。なんとかこれでご容赦願います」妻「まあ、このくらいで許してあげましょうか。今後ともよろしくお願いします」これにて調印。注文書には車両本体とメーカーオプション14万3000円から41万5755円引き(オイル会員券1万300円を含む)と記入されていた。さらにドラレコが無料サービスなので、実質的な値引きの合計は50万円を超えている。購入データTOYOTA ハリアーハイブリッドZトータル値引き 41.6万円From愛知県値引き採点 5車両本体とメーカーOPから41万5755円引き。付属品は購入していないため“密度”は濃い。納車費用もカット。無料のドラレコ(8万5000円相当)も含めると値引きの額面は50万円超。
提供元:月刊自家用車
ライタープロフィール
内外出版/月刊自家用車オーナードライバーに密着したクルマとクルマ社会の話題を満載した自動車専門誌として1959年1月に創刊。創刊当時の編集方針である、ユーザー密着型の自動車バイヤーズガイドという立ち位置を変えず現在も刊行を続けている。毎月デビューする数多くの新車を豊富なページ数で紹介し、充実した値引き情報とともに購入指南を行うのも月刊自家用車ならではだ。
この人の記事を読むオーナードライバーに密着したクルマとクルマ社会の話題を満載した自動車専門誌として1959年1月に創刊。創刊当時の編集方針である、ユーザー密着型の自動車バイヤーズガイドという立ち位置を変えず現在も刊行を続けている。毎月デビューする数多くの新車を豊富なページ数で紹介し、充実した値引き情報とともに購入指南を行うのも月刊自家用車ならではだ。
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