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5Gで実現する「周波数共用」 ひっ迫する電波資源の“救世主”となるか

5Gで実現する「周波数共用」 ひっ迫する電波資源の“救世主”となるか

図表1 SAS/ESCの調整下でのCBRS周波数割当の概念図

欧州では2.3-2.4GHz帯を対象に、データベース型による既存免許人(軍用レーダー、ワイヤレスカメラなど)とLTEの共用(Licensed Shared Access:LSA)が提案されている。イタリアやフランス、フィンランドなどで実証実験が行われたが、当該帯域を民間利用できない国もあるため欧州全体では停滞気味だった。そこでLSAの対象を他の周波数帯にも拡張し、ローカルエリアで使うことを目的に、工場の自動化や遠隔医療などバーティカル産業セクターを対象ユーザーとするeLSA(evolved Licensed Shared Access)の技術標準検討が進んでいる。「既存免許人に割り当てられているものの利用頻度が低かったり利用エリアが狭く、しかも当該帯域がグローバルバンドとして国際的に配分されている場合、SASまたはLSA/eLSAを利用した共用は、バーティカル産業の電波利用ニーズに応えるためにも有効なツールとなりうる」と一般財団法人マルチメディア振興センター ICTリサーチ&コンサルティング部シニア・リサーチディレクターの飯塚留美氏は指摘する。国内では、2018年8月に公表された総務省「電波有効利用成長戦略懇談会」報告書において、「2020年代に向けた電波有効利用方策の検討」に「共用を前提とした割当て」が盛り込まれたのが始まりだ。その後、2019年12月の有識者による追加提言では、ダイナミック周波数共用の実用化に向けた制度整備の必要性が指摘された。これを受けて今年2月、ダイナミック周波数共用システムの運用業務を電波法上の指定法人である電波有効利用促進センターの業務に追加することを含む電波法改正案を通常国会に提出、4月に成立した。総務省では2021年度の実用化を目指している。

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