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   「メーカー再生品」って何? 買っても大丈夫?

「メーカー再生品」って何? 買っても大丈夫?

家電製品が毎年何百万トンも廃棄されている現在、新品同様に整備された「メーカー再生品(Refurbished)」を購入することは、環境にもお財布にもやさしい選択といえるでしょう。再生品の購入は、新品と比べて遜色のない家電を最安値で手に入れるベストな方法です(まだ使える60インチのテレビが道端に落ちていた、みたいなレアケースは別ですが)。

お得なメーカー再生品ですが、たいていの消費者の場合は、頭の中が疑問でいっぱいなのではないでしょうか。「そもそも、再生品って何?」「新品でなく再生品を購入するメリットは?」「再生品に関してもっとも実績のあるブランドはどれ?」「再生品を買ってはいけない場合は?」そんな疑問の答えが気になるなら、以下の記事に目を通してみてください。再生品のすべてがわかります。

再生品を購入すべき理由

多くの人が、「再生品」を「中古品」だと誤解して、購入に二の足を踏んでいます。たしかに、一部の悪質な販売業者が、中古品を再生品に見せかけて売りつけることがあるのも事実ですが、本来、メーカー再生品とは、以下の4つのカテゴリーのうち、いずれかに該当するものです。

メーカーに戻された理由が何であれ、再生品は「返品後、検査され、再度販売できると判断されたものです。(中略)新品として販売することはできないため、価格を下げて再生品として販売するのです」。

もちろん、安いだけが魅力ではありません。再生品を購入することは、環境保護にもつながります。ウェブメディア「How Stuff Works」の記事によると、「米国在住の人々は、2006年の1年間だけで300万トン近くもの家電製品を廃棄した」のだそうです。また、「こうした製品には、健康被害をもたらす鉛などの有毒物質が含まれている一方で、金、銀、銅、そして時にはプラチナなどが含まれる場合もあります」とも指摘されています。こうした希少金属の採掘は、高コストなうえ環境汚染にもつながりますが、常に新品ばかりを購入していると、そのプロセスに手を貸すことになってしまいます。再生品の購入は、ささやかではありますが、環境にやさしい形で最新技術の恩恵を受けられる方法なのです。

それでは、特に優れた再生品を提供しているいくつかのブランドを見ていきましょう。

Appleの再生品は新品とほぼ変わらない

Appleは再生品に関して、まさにお手本的な存在です。「Technology Tell」によれば、Appleには非常に厳格な再出荷工程があり、「欠陥部品を交換し、すべてのデバイスの筐体を取り替え、新品のバッテリーを装着して、さらに新品の場合と同様に購入時から1年間の保証をつけて」販売するそうです。


   「メーカー再生品」って何? 買っても大丈夫?

自社工場から再出荷されるMacやiOS機器は素晴らしいできばえです。「CNET」のあるブロガーは、Apple製品を買うなら、新品ではなく再生品を常に購入するよう勧めているほどです。「Appleのハードウェア製品はたいてい高すぎるから、再生品はそれを安く買えるめったにないチャンス」なのだとか。

では、どのくらい安くなるのでしょうか? 筆者がこの記事を執筆している時点では、Apple Storeの再生品(Appleでの呼び方は「整備済製品」)ページには、旧世代の「iPad」が最大34%引き、「MacBook Air」が最大29%引き、「Apple TV」が24%引き、そして「iPod touch」が最大26%引きで掲載されていました。

直販サイトでは、DellとHPが一歩リード

自社のアウトレットサイトを通じて再生品を販売しているパソコンメーカーはいくつかありますが、消費者支援サイト「Consumer Reports」で推奨されているのはDellとHPのサイトだけです。このうちDellのアウトレットサイトでは、さまざまなクーポンコードを配布しており、ノートパソコン、デスクトップパソコン、タブレット、モニターを15%から40%引きで購入できます。HPのアウトレットサイトでも、同社製品に対してさまざまな割引を行っています。

ただし、「CNET」のこちらの記事に挙がっている、「パソコンの再生品を購入する場合に気をつけたい点」には注意しておきましょう。再生品ではシステム構成のカスタマイズはまずできないということ、それから「よく手入れしてあっても、最新最高のスペックは望めない」ことなどです。

Sonyは安いが、サイト構成に難あり

Consumer Reportsが推奨しているメーカーには、Sonyの名前もあります。ただ、同社の直販サイトには再生品だけをまとめたページはありません。いろいろ試してみたところ、販売中のすべての再生品を見つけるには、「refurbished」をキーワードにして検索するのが一番簡単でした。その結果、記事執筆時において、在庫数は非常に少ないものの、「VAIO」が最大50%引き、デジタルカメラやビデオカメラが最大48%引き、「PS3」本体が32%引きなどとなっていました。日本で購入する際はこちらのサイトからからアウトレット商品を購入できるようです。

なぜ注目されない? Canonも高い割引率

Canonの再生品はこれまでメディアに取り上げられていませんが、標準的なレベルを上回る再出荷工程があります。同社のサイトによれば、「Canonの熟練した技術者により、機能および外観の厳格な検査が行われている」とのこと。自社工場からの再生品にはすべて、1年保証と標準アクセサリーがついており、プリンタの場合は新品のインクカートリッジも付属します。記事執筆時点では、同社サイトの再生品のページで、デジタルカメラ、レンズ、ビデオカメラなどが最大45%引きで販売されていました。

正規販売代理店による再生品は、格安なうえに安心

メーカー直販サイトの再生品も大きな節約になりますが、多くの場合、正規販売代理店による再生品なら、さらに値引きが期待できます。購入を考えている小売業者が正規販売代理店であることを確認するには、メーカーのウェブサイトに載っているか、メーカー保証がついているかなどをチェックすれば簡単にわかります。

再生品を「買ってはいけない」場合とは

「再生品」のほかに、「リファービッシュ品」「新装整備品」「アウトレット」「工場整備品」の名前で売られている製品もありますが、一般的にはどれも、同様の水準まで整備されています。少なくとも、メーカーで再出荷を行っているものなら、呼び名は違っても大丈夫。DealNewsではそうした製品を、特に「メーカー再生品」と呼んで区別しています。これらの再生品は、メーカーで検査や修理を行っていて、メーカー保証もついています。ただし再生品は、整備前の状態がひとつずつ異なることに留意しましょう。

市場には、サードパーティの手で再出荷された製品も出回っています。こうした製品の場合は、買う側の自己責任です。DealNewsでは、悪質な小売店からの出品は掲載しないという編集方針を明示していますが、優良販売店であっても、時には低品質の再生品を保証なしで販売することがあります。

低品質の再生品を購入したくない消費者ができることは、サードパーティから購入する場合は、保証がついていて、返品条件が明示されているものを選ぶことです。できれば、メーカー保証もついているものを選ぶようお勧めします。さらに、商品説明をしっかり読んで、新品に標準で付属するすべてのアクセサリー類やコード、マニュアルが同梱されるのかどうかを確認する必要があります。それにもまして大事なのは、「『現状のまま(as is)』で売られている再生品の購入は避ける」ことです。製品に欠陥が見つかっても、保証を受けられず返品もできないからです。

再生品をむやみに避ける必要はありません。DealNewsで過去最安値になっている製品の多くは再生品でした。こうした製品を購入すれば、まだ使える資源が最終処分場に送られるのを防ぐことにもなります。時にはハズレが混じっていることもあるでしょうが、しっかりとした保証がついた再生品を優良小売業者から購入する限り、ほとんどの場合は、痛い目に遭わずにすむはずです。安売りに目がない人は、くれぐれも自己責任で。再生品をうまく選べば、クールなガジェットを最大の割引幅で購入できるのです。

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Marcy Bonebright(原文/訳:風見隆/ガリレオ)