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USB Type-Cケーブルの疑問 100均ケーブルでも大丈夫?

USB Type-Cケーブルの疑問 100均ケーブルでも大丈夫?

USB Type-Cケーブルの疑問 100均ケーブルでも大丈夫?

パソコンと周辺機器をつなぐUSBケーブルは慎重に選ぶ必要がある

複雑怪奇な規格と仕様のUSB Type-Cを理解するシリーズ。今回はケーブルにまつわる4つの謎を解き明かしていこう。【ビジュアル解説】 USB Type-C、100均ケーブルは大丈夫?

■Q:ケーブルの種類で速度が落ちることはない?

ポータブルSSDの付属ケーブルが見当たらないので、引き出しの奥にあったスマホ充電用のType-Cケーブルを使った。問題ある?問題アリアリだ。ここを間違えるとSSDなど高速なUSB機器が宝の持ち腐れになる。ケーブルの対応規格がSSDよりも下位だと、それがボトルネックになってしまう。ケーブルの規格には、パソコンおよび機器のUSB端子と同様の注意を払いたい。例えばパソコンとSSDの端子がともにUSB4だった場合、ケーブルもUSB4対応でないとUSB4の速度は出ない。ポータブルSSDなどの高速機器を使うときは注意しよう。一方で、利用するUSB機器の規格よりもケーブルの規格が上位なら、余っているケーブルを使ってもかまわない。例えばパソコン側がUSB4端子でも、つなぐ機器が2.0なら2.0ケーブルでもOKだ。ただし、上位の規格ほどケーブルの価格は高くなるので、新たにケーブルを購入する際は機器の規格も考慮したい。それと、ケーブルはとにかく整理が重要。特にType-Cケーブルはパッケージから取り出してしまうと、どの規格だったかノーヒント状態になりかねない。USBの規格を書いたラベルなどを付けておくとよい。

■Q:100均のType-Cケーブルでも問題なし?

最近の100円均一ショップ(100均ショップ)はType-Cケーブルを販売している。量販店なら1000円以上するような品物が100円で手に入るのはうれしいが、「安かろう悪かろう」が心配。100均ケーブルを検証してみた。注目したいのは給電能力。最大3アンペア(A)をうたう100均ケーブルで電流を計測すると約2Aだった。2AならType-Aのスペック(最大1.5A)を上回っているので及第点だ。スマホなどの充電用途なら、100均のType-Cケーブルは十分にメリットがあると感じた。パソコンのPD対応Type-C端子と、PD対応モバイルバッテリーの接続にも使ってみた。すると電流は約2A、電圧は約20Vで、きちんとUSB PDとして動作したのには驚いた。ちなみにケーブルのパッケージではPD対応をうたっていない。PD対応をうたう60ワット(W)超のケーブルには安全上、後述する「eMarker(イーマーカー)」というICチップが必要になる。SSDの転送速度も調べたが、こちらは論外だった。パッケージに2.0対応の記載があるケーブルとないケーブルがあるが、いずれも50MB/秒を下回る結果に。100均のTypeーCケーブルは2.0規格と考えてよいだろう。データ転送のために積極的に使う理由は見当たらない。100均ケーブルは前述したeMarkerチップを省くことで低価格を実現している。USB PDのほか、3.2 Gen 1以上ではこのチップが不可欠だ。

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最終更新:NIKKEI STYLE