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ソニーの「Xperia 1 II」は、“2020年最高のスマートフォン”のひとつだ:製品レヴュー

ソニーの「Xperia 1 II」は、“2020年最高のスマートフォン”のひとつだ:製品レヴュー

ソニーの「Xperia」を最後に目にしたのは、2018年に日本を訪れたときのことだった。ひっきりなしに(しかも時間通りに!)やって来る東京の地下鉄に乗ると、大勢の人がXperiaか「iPhone」を手にしていた。そして、たまに「Nintendo Switch」を使っている人もいた。

そんな光景が見られるのは、世界で日本だけだろう。残念ながらソニーのスマートフォンが世界市場に占めるシェアは、1パーセントにも満たない。それでも、新しい「Xperia 1 II」は、今年になって(これまでのところ)最も気に入ったスマートフォンのひとつとなった。

1月の時点でこのような感想を記事にする人がいたら、笑い飛ばしていたことだろう。しかしご存知の通り、2020年は波乱に満ちた年になっている。

ソニーとして最高のスマートフォン

この数年でテストしたソニーのスマートフォンはどれもしっくりこなかったのに、今回の製品がこれほど素晴らしいのはなぜだろうか。その理由は、映画のスクリーンのような美しいディスプレイ、長いバッテリー寿命、高性能のカメラシステム、しっかりとした質感、シンプルなソフトウェアなど、あらゆる要素がうまくパッケージングされている点にある。Xperia 1 IIは、ソニーがこれまでつくったなかで最高のスマートフォンだ。

ソニーの「Xperia 1 II」は、“2020年最高のスマートフォン”のひとつだ:製品レヴュー

もっとも、欠点がないわけではない。例えば、名称について話をさせてほしい。知らない人のために言うと、Xperia 1 IIは「エクスペリア ワン マークツー」と発音する。この読み方は、ソニーのデジタル一眼カメラ「α9 II」やアイアンマンのアーマーと同じだ。しかし、どうしても「エクスペリア・ワン・ツー」と呼んでしまう(ほとんどの人もそう呼ぶだろう)。

それに価格が米国では1,999.99ドル(日本では12~13万円前後)となっている。4,000万人を超える米国人が職を失っていることを脇に置いたとしても、かなり高い価格と言っていい。

カメラの画質は「Pixel 4」の同等以上

スマートフォンのカメラ体験を何よりも重視する人なら、Xperia 1 IIは検討する価値がある。このスマートフォンの最大の特徴は、人気の高いソニー製カメラ「α9」のエンジニアチームと共同開発されたカメラシステムだ。

ほとんどの人は、スマートフォンを被写体に向けてボタンをタップするだけで写真が撮れれば十分だろう。もちろん、Xperia 1 IIでもそのように撮影することは可能だ。しかし、ソニーはあえてカメラ好きやプロの写真家をターゲットにした。こうした人々は、カメラの設定をあれこれいじり、撮影する写真のあらゆる要素をコントロールできることを好む。

Xperia 1 IIには、約1,220万画素のカメラが3つある。望遠カメラと超広角カメラ、それに1/1.7インチという大型のイメージセンサーを搭載した標準カメラだ。センサーが大きいほど多くの光を取り込めるので、夜景写真の画質が向上する。ちなみに標準カメラのセンサーのサイズは、「iPhone 11 Pro」より大きい。

スマートフォンのカメラシステムを気に入ったのは、グーグルの「Pixel 4」以来のことだ。実際にXperia 1 IIは、Pixel 4の画質を上回ることさえある。

日中に撮った写真は、ディテールと色合いが見事に再現されていた。夜に撮影した写真も、夜景専用モードがないにもかかわらず、ほとんどノイズがなく、驚くほど明るい写真になる。望遠カメラや超広角カメラで撮った写真も、画質はやや落ちるものの、同じような仕上がりだ。