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第783回:セルラードローン とは

第783回:セルラードローン とは

基本的に携帯電話は、上空で使う用途は想定されていませんでした。そのため、基地局のアンテナから発射される電波は、ユーザーのいる方向、つまり地上へと向いています。もし、セルラードローンのようなマシンが増えると、地上の携帯電話の利用へどの程度、影響を与えるかわかりません。

電波に関する法律である電波法の基本方針は「いずれの機器もお互いに円滑に利用できるように努めなければならない」です。影響を与える恐れのあるセルラードローンのような機器については野放しにはできません。そのため、これまでセルラードローンのような用途は原則として規制されてきました。

第783回:セルラードローン とは

しかし、将来的なニーズとして、国内外でセルラードローンの実用化に向けた動きが出てきています。これを受けて、総務省では「無人航空機における携帯電話等の利用」を、既存の基地局の運用などに支障を与えない範囲で、試験的にセルラードローンのような活用を許可する方針とし、2016年7月、実験飛行が可能になる電波法施行規則と審査基準が改正されました。

そこで、今秋になって、実験が開催されています。福岡では、NTTドコモが実験を行いました(※関連記事)。実験では、2.5Km離れた島まで、モバイル通信機能を備えたドローンを飛ばし、荷物を届けるという内容です。

千葉市と楽天、NTTドコモが参画した実験も行われています(※関連記事。

千葉で行われた実験の様子

これらの実験では、セルラードローンを使って遠距離での荷物の配送が可能かどうか、また、ドローンの飛行が許される高度150メートルまでの上空での携帯電話の電波の利用がどの程度実用的か、はたまた地上通信への影響がでないかなど、さまざまな検証が行われます。

これら実験結果を踏まえて、今後の技術改良や、法改正などに繋がれば、日本でも商用サービスがいずれ出てくる可能性があります。