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「自社製品が関連する交通死亡事故を、2050年までにゼロにする」という目標をかかげたホンダ。四輪だけでなく、二輪も手がける彼らならではの施策とは? 技術だけでは克服できない問題にどう立ち向かうのか? 間もなく導入される新技術とともにリポートする。
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すでにwebCGでもお伝えしているように(参照「ホンダが2つの次世代安全技術を世界初公開」)、ホンダは「2050年に全世界でホンダの二輪・四輪が関与する交通事故死者ゼロ」を目標にかかげた。自社製品にまつわる“死者ゼロ”を目指す自動車メーカーは世界的にいくつかあるが、ホンダの野心的なところは、その対象に自身が世界最大手の供給元である二輪車も含めていること、そして2050年時点での新車にかぎらず、それ以前に販売された“保有”車も含めていることだ。
去る2021年11月25日、ホンダはそんな壮大な目標に向けた先進安全技術をまとめてメディアに公開する取材会を催した。そこには2050年に向けて研究開発中の新技術のほか、すでに実用化済みの技術もあり、つまりはホンダの「現在と近未来」が詰まっていた。というわけで、ここではそのなかから興味深い技術をいくつかピックアップしてみたい。
まずは日本を含む先進国で交通事故死者を大幅に減らしていく場合、中心となるのはやはり四輪車だろう。ホンダは2050年の前段階として「2030年にホンダ四輪車が関与する交通事故死者の(2020年比で)半減」を目指している。2030年といえば、残りわずか9年である。リアルな肌感覚で想像できるぶん、「2050年に全世界で死者ゼロ」よりも、「先進国限定とはいえ9年で半減」というほうがハードルが高い気さえする。
この目標を実現するシナリオとして、ホンダはそのうちの6割強を予防安全・運転支援システム(ADAS)「ホンダセンシング」の普及拡大と進化で、残る4割弱を「衝突時の歩行者保護性能の強化」と「先進自動通報システム」によって実現すると計算する。9年後といえば、いま現役のホンダ車も路上に相当数残っていることは容易に想像できるが、「現行のホンダセンシング車もすでに事故死者減少に貢献しており、そこに来年以降に導入される進化型ホンダセンシングを加えることで、さらに大きく減少させる」というのが彼らのロードマップだ。