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市川紗椰が語るフードコートの魅力「振り返れば、人生のすべての局面に思い出のフードコートがありました」

市川紗椰が語るフードコートの魅力「振り返れば、人生のすべての局面に思い出のフードコートがありました」

もっと早く気づくべきでした。私、フードコートが大好きです。見慣れたチェーン店の安心感と、ローカル店の未知なる誘惑の合体。あれもこれも食べたいときに、貪欲な自分を許してくれる寛容さ。呼び出し音が予想以上の音量で、あちこちでピーピー鳴り響くカオスな空間。子供が走り回るなかで重たいトレーを席まで運ぶときの無防備さまで好きです。テーブルが汚れているけど、台拭きが同じくらい汚れているときのジレンマまでいとしい。

市川紗椰が語るフードコートの魅力「振り返れば、人生のすべての局面に思い出のフードコートがありました」

振り返れば、人生のすべての局面に思い出のフードコートがありました。原体験は、祖母の家があった岐阜市の商業施設、マーサ21。そこは私が暮らしていたアメリカのフードコートと違って、明るくて爽やか。私の子供の頃の記憶では、真ん中に小さな水路が流れていて、まるでテーマパークのよう(なお、この記憶を裏づけてくれる親戚はいない。覚えている岐阜市民の方、連絡ください)。

フードコートに来るのは母が東海地方のソウルフード、スガキヤラーメンを食べたいときでしたが、「今日は何食べよう」と自分で利用するお店を選べて、大人の仲間入りをした気分でした。アメリカにはなかった出来上がりを知らせるベルが最先端技術のように輝いて見えて、「まだかなー」とガン見していたのに、油断した瞬間にやたらとデカい音で鳴ってびっくりするところまでセットで最高でした。

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