ITS Connectが路側インフラのAI化に貢献

ITS Connectが路側インフラのAI化に貢献

■自動運転環境の実現には、リアルタイムな情報収集が不可欠昨今、高速道路での走行が実用化されるなど自動運転の導入・普及が進んでおりますが、安全でスムーズな自動運転には、より精緻でリアルタイムな道路交通情報を把握することが必要となります。今回の論文では、自動運転の導入・普及のためには合流やサグ渋滞回避等道路状況に応じた運転支援が必要であり、そのためには車載カメラ・センサーに加え路側インフラからの情報提供が不可欠とされる等、リアルタイムな情報収集が必要であることが紹介されています。■ITS Connectが「新たな情報収集インフラ」となる可能性が示されるITS Connectは、ITS Connect車載機を搭載した車両に通信で安全運転支援情報を提供するサービスですが、760MHzというITS専用の周波数帯を用いるため繋がりやすいこと、また、ITS Connect搭載車両からは位置情報や速度等の情報が100ms毎に送信される、等の特徴があります。このITS Connectを用いて車両データの観測・収集を行い、自動運転支援に必要とされる道路交通情報をリアルタイムに取得できるか等を確認する実証実験が2020~2021年度に行われ、ITS Connectが新たな情報収集インフラとして利用できることが示されました。本実証実験は、ITS Connect受信機を搭載した実験車両を高速道路のパーキングエリアや高速道路近くの駐車場等に駐車し、高速道路上を走行するITS Connect搭載車両から送信されるデータを取得するというもので、首都高速道路や東名高速道路等 合計15か所で行われました。

実証実験では、ITS Connectの送受信それぞれの車両の位置から通信可能距離を算出しました。例えば、周辺に高層建築物がある首都高速道路のような都市内環境では平均100~200m程度、東名高速道路のような郊外環境では平均500~600m程度の通信可能距離が確認されました。また、車両の速度変化に関する情報収集についても測定を行い、概ね0.25m毎にデータが取得可能であることが確認されました。これにより、ITS Connect無線技術は ①最大600m程度の通信距離を確保できる ②車両の速度変化をほぼリアルタイムに把握できる、等がわかり、より精緻な道路交通情報の取得、交通事故・落下物の発生等の突発事象検出に貢献できる等、新たな情報収集インフラになりうる可能性があることが明らかとなりました。今後は既存プローブデータによる情報収集等との比較・検証も行い、ITS Connectの新たな可能性を検討していく、とされています。今回の実証実験で、ITS Connectを活用することで、分解能の高い車両データをリアルタイムに収集できることが実証されたことから、より精緻な道路交通情報生成が可能になることが期待されます。安全でスムーズな自動運転走行には路側インフラからの道路交通情報の提供が不可欠とされておりますが、ITS Connectの活用は、路側インフラを「道路状況をリアルに再現する人工知能(AI)」のように進化させることができるのではないかと期待されます。ITS Connectは常に新鮮な道路交通情報の収集等、新たな情報収集ツールとして安全な自動運転社会構築に貢献し得ることが明らかにされました。*今回の実証実験で収集した車両データは個人を特定できる情報を含みません。なお、個人情報の扱いに関して、ITS Connect推進協議会は、会員及び、当協議会の規定に準じた者によって行われる実験等の活動において、活動の主体者に対し最新の個人情報保護に関する法令を遵守徹底するよう周知しております。■すべての人が幸せで快適な交通社会を目指してITS Connect推進協議会は、安心・安全な交通社会に向けて、世界に先駆けて通信を活用した安全運転支援システムITS Connectの実用化に貢献しております。今後も交通事故の削減に向けた交通環境整備に貢献していく社会的基盤のひとつとして、より良いシステム構築と普及を目指し、業種や企業の垣根を超えたオールジャパンの取り組みを続けてまいります。【協議会概要】協議会名:ITS Connect推進協議会代表幹事:山崎 大(ヤマザキ ヒロシ)幹事会社:京セラ株式会社住友電気工業株式会社株式会社デンソートヨタ自動車株式会社豊田通商株式会社パナソニック株式会社株式会社日立製作所三菱電機株式会社ルネサス エレクトロニクス株式会社所在地:東京都港区港南2-3-13 品川フロントビルホームページ:https://www.itsconnect-pc.org/設立:2014年10月28日

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