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マッハ20でまた失踪...米軍の超音速機ファルコンHTV-2

マッハ20でまた失踪...米軍の超音速機ファルコンHTV-2

ノット・アゲイン...

音速の20倍近いスピードで飛んで世界中どこでも1時間以内に爆弾を送るDARPAの「ファルコンHTV-2(Falcon Hypersonic Test Vehicle 2)」が、またテスト飛行中に消えてしまいました...

去年4月の初テスト飛行でも太平洋上で謎の失踪をしたきり何の痕跡も残さなかったのですが...どっかにファルコンの墓場でもあるんでしょうかね?

今月11日(米時間)行った2度目の飛行実験では、加州ヴァンデンバーグ空軍基地からミノタウロスIVライトロケットに背負われて午前7時45分に飛び立ち、ミサイル切り離しに成功後、機内の姿勢制御システム(Reaction Control System:RCS)を使って進路を変更して大気圏に再突入し、突入中にRCSと空気制御で地球上層大気に飛び、上向きの飛行体制にして適度な高度を稼いだ上で滑空体制に入りました。

一応この滑空段階でマッハ20で飛びながら、鉄をも溶かす華氏3500度(摂氏1927度)の高熱で機体がどうなるか、空気力学的とインテグリティをテストする予定になっていたんですが...。

ヴァンデンバーグ基地で見守るDARPA制御技師らの元には、再突入からマッハ20の滑空段階に入ってしばらくはシグナルが届いていたんですが...打ち上げからたった36分でテレメトリ(遠隔測定)が追跡不能となり、それきりシグナルが回復することはなかったのです...。

マッハ20でまた失踪...米軍の超音速機ファルコンHTV-2

DARPAによると、Falconには万が一なにかうまくいかないことがあった場合に備えて自動飛行停止機能も搭載されてるらしいんですが、通信が途絶えた後どうなったものやら彼らにも状況は掴めていない模様です。DARPAのライブ中継のツイートも毎日確認してるんですけど、その後なんにもアップデート入ってないんですよね...。

ファルコンHTV-2は2010年4月の初テスト飛行でも打ち上げから9分でシグナルが途絶え、米空軍は「機上の装置が飛行の異常を探知し、機内安全システムが作動、進路をコントロールしながら海に墜落した」と言ってました。

今回も空軍は予定ルート下の太平洋に墜落した模様だ」と発表。HTV-2プロジェクトを率いる航空宇宙工学博士のChris Schulz空軍少将は、「機体を宇宙空間近くまで打ち上げ、大気圏の超音速飛行に入る手法までは分かったが、空力飛行段階で思うような制御を確保する手法までは分かっていない。厄介だが、解決策は必ずあるはずだ。それを見つけなくては」と次に意欲を燃やしてるわけですが...いやぁ...何があったんでしょうね...

やっぱりあいつの仕業だな。

レックス・ルーサー。

[DARPA Twitter]

JESUS DIAZ(原文/satomi)