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中国のアップル関連企業、株価と業績の二重圧力で新たな成長分野開拓へ

中国のアップル関連企業、株価と業績の二重圧力で新たな成長分野開拓へ

北京市朝陽区三里屯(さんりとん)にある、アジア太平洋地域で初のソーラーパネルを採用したアップルストア「Apple 三里屯」。(2020年7月16日撮影、北京=新華社記者/才楊)

【新華社北京3月24日】中国A株市場で米アップルのサプライヤー企業の株価が年初から大きく下落している。金融情報サービス大手の万得信息技術(Wind)によると、アップル関連銘柄の9日大引け時点の年初来下落率は20%を超えた。銘柄別では、スマートフォン部品メーカーの深圳市長盈精密技術が47.08%、タッチパネル大手の藍思科技(レンズ・テクノロジー)が44.34%、電子機器受託製造サービス(EMS)大手の立訊精密工業(ラックスシェア)が23.88%と大きく下げた。10%超下落した銘柄は40余りに上った。

中国のアップル関連企業、株価と業績の二重圧力で新たな成長分野開拓へ

2021年12月期の決算速報を発表したアップル関連銘柄のうち、3割以上が赤字または減益だった。深圳市長盈精密技術は純損益が前年の6億元(1元=約19円)の黒字から、初めて赤字に転落。赤字額は5億7900万元に上った。同社を含む4社が初の赤字転落となった。藍思科技は純利益が前年比57.4%減の20億8800万元だった。

株価と業績の二重圧力の下、アップルの多くのサプライヤー企業が新たな成長分野を探している。リチウムイオン電池大手の欣旺達電子は1日、子会社の欣旺達電動汽車電池が約120億元を投じ、広東省珠海市に車載電池の生産拠点を建設すると発表。立訊精密工業は2月、奇瑞汽車と戦略的提携を結び、同社傘下の奇瑞新能源汽車と新エネルギー車(NEV)の研究開発と製造を手掛ける共同出資会社を設立すると明らかにした。藍思科技は昨年末、新型ディスプレーなどを手掛ける凱盛科技と戦略的提携を結び、太陽光発電分野に参入すると発表した。

一方、アップルのサプライチェーンに新たに参入した企業もある。発光ダイオード(LED)チップ大手の三安光電は8日夜、今年に入ってから海外の大口顧客1社からミニLEDチップの受注が続いており、受注額は1億7千万元を超えたと発表。このほか、同社のフィルター製品が「海外の重要な顧客」のスマホの規格認証に合格し、中国国内のODM(相手先ブランドによる設計・生産)メーカーを通じて受注を獲得したことも明らかにした。この「海外の重要な顧客」はアップルを指すとみられる。

中国の市場調査会社CINNOリサーチによると、アップルの携帯電話の1月の国内販売台数は前年同月比11.4%増加した。「iPhone(アイフォーン)13」は230万台以上を売り上げ、4カ月連続で国内市場の販売台数1位を維持した。

中国の証券会社、中国銀河証券はiPhoneの22年の出荷台数が2億4500万台に達すると見込んでおり、アップルサプライチェーンの中核企業の業績を引き続き有望視するとしている。