• 記事
  • 上尾のごみ処理施設が復旧 火...
 上尾のごみ処理施設が復旧 火災防止へ電池の回収法変更

上尾のごみ処理施設が復旧 火災防止へ電池の回収法変更

誤った方法で捨てられたリチウムイオン電池が原因とみられる火災が昨年秋に起きた埼玉県上尾市の西貝塚環境センター。復旧工事を終え、7月28日に不燃ごみの処理を再開した。市はリチウムイオン電池の回収方法を変えるなどし、再発防止に取り組んでいる。

センターの粗大ごみ処理施設で火災があったのは昨年10月。破砕物を運ぶゴム製ベルトコンベヤーなどが燃えた。出火原因は特定できていないが、市は、誤って不燃ごみとして捨てられたリチウムイオン電池が衝撃を受けて発火したとみている。

 上尾のごみ処理施設が復旧 火災防止へ電池の回収法変更

リチウムイオン電池は可燃性の有機溶媒に過度な圧力が加わると発煙、発火することがあり、草加市のリサイクルセンターなど県内のごみ処理施設で類似の火災が相次いだ。

上尾市によると、施設の復旧にかかった費用は総額約4億8千万円。ベルトコンベヤーを燃えにくいゴム製にしたほか、線香程度の発火でも検知して動きを止め、散水するシステムを導入するなどした。

火災による影響は大きかった。復旧までの間、他の自治体などにごみ処理事業を委託するのに約5千万円かかった。施設周辺には大型袋約3千個分の不燃ごみが残り、すべてを処理するのに1年近くかかる見通しという。

市は同様の事故を防ぐため、リチウムイオン電池を含む小型充電式電池の回収方法を変えた。家電店や自治体に設置された回収箱に入れる方法に加え、7月からは透明な袋に入れて不燃ごみと分けて集積場に出すことができるようにした。

市は「他のごみと一緒に破砕してしまった場合の影響があまりにも大きい。処理方法を周知してリスクを回避したい」としている。(小林祝子)